植物という生き方

「植物という生き方」について考えてみます。最初に地球上に出現した生物とされ、光エネルギーを使って酸素を作ってきたシアノバクテリアを、植物は葉緑体として細胞内に取り込み、光合成により水と二酸化炭素からぶどう糖などの有機物をつくる「独立栄養生物」です。これに対し動物は感覚と移動能力をもつようになったため他の植物や動物などを捕食しないといけない「従属栄養生物」になります。「植物人間」という否定的な使われ方をしていますが、光合成だけで養分が得られるという植物の「動かない生き方」にも憧れるところがあります。しかし光を多く得るために密林などでは背の高い木が生き残ったり、他の植物の成長を阻むような化学物質を生成したり水面下の戦いは有るようで、どの生物の社会でも競争は避けられないようです。植物とシアノバクテリアのように細胞内に入り込みお互いの生命活動に利用し合うというのが本来の「共生」であり、人間がコロナウイルスとうまく付き合っていくというのは「コロナとの共存」ということになります。

植物が持つある化学物質にて他の植物の成長を妨げ、自分が使うために「水」や「栄養」を確保する。(新しい高校生物の教科書より)